エアバッグのタカタ!米国の大規模リコール問題で倒産の危機か?
2019/03/16
自動車のエアバッグメーカーとして国内大手のタカタが、倒産の危機に瀕しているようです。タカタといえば世界第二位のシェアーを誇る海外にも多数の生産工場を持っている日本有数の大きな会社のひとつですね。
ちなみに世界第一位は、スウェーデンにある“AUTOLIV(オートリブ)という部品メーカーらしいです。
現在国内で走っている自動車のエアバッグは、ほとんどがタカタ製のエアバッグが装備されているといっても過言ではないほどですが、ではなぜそんなトップシェアの一流企業が倒産の危機に落ちいっているのか?
ことの発端は、何だったのでしょうか。
エアバッグとは
既にご承知の通り、エアバッグは主に自動車のハンドル中央部分や助手席前のグローブボックス付近に装備されており、事故の際に、瞬間的に作動させて圧縮空気で袋状のバッグを膨らませることで、ドライバーや同乗者を事故の衝撃から守るという重要な安全装置です。
画像はイメージです。記事には関係ありません。
そんな命を守るために装備されたはずの、このエアバッグの欠陥によって、事故そのものよりもエアバッグ作動時の衝撃で死亡してしまうといういたましい事故が起こってしまいました。
特にアメリカで、事故が多発してしまい
エアバッグが原因とされる死亡者が7人に上ったそうです。
エアバッグの欠陥
エアバッグの原因を、ザックリとまとめるとエアバッグを瞬間的に膨らます際に異常爆発が起こり、壊れるはずのない金属製のケースが破断して無数の金属片が飛び散ってしまいます。
ドライバーや同乗者の上半身のすぐ手前で、大きな爆発が起こり、その衝撃と無数の金属片によって死に至る致命傷を与えてしまうほどの事故に至ってしまいました。
ある実験では、爆発で飛び散った金属片が施設のトタン屋根に無数の穴をあけてしまうほどの威力だったそうです。
推測ですが、たとえてみれば、小型の手りゅう弾が目前で
破裂したのと同じようなものかもしれません。
そういえば、以前にアメリカで主婦が買い物の際にショッピングセンターの駐車場で誤って軽い接触事故を起こしました。
その時に、エアバックが作動してしまい、助手席に乗っていた赤ちゃんが死亡してしまったという痛ましい悲惨な事故が報道されていましたね。
それが、タカタ製のエアバッグだったのかはわかりません。
リコール
多発したエアバッグが原因とされる事故の報告を受けて、ホンダは平成20年11月に自社製の車に装備された、タカタ製エアバックの不具合として、4205台を対象にリコールを発表したのが今回の騒動の始まりでした。
それからというものリコールは、平成26年までに、ホンダ、日産、トヨタ、マツダ、富士重工、三菱自動車、いすゞなどの 国内のほとんどのメーカーに及び
更には、GM、フォード、クライスラー、BMW、フォルクスワーゲンなどの欧米のメーカーまでいれると1600万台以上に及んでしまいました。
リコールとなると、無料回収及び無償修理となり、製造元のタカタは
甚大な損失になってしまいます。
しかし、そこで、タカタは自社製品の欠陥を素直に認めて、誠実に対応すればよかったものを、タカタは欠陥を認めることを拒否してしまったのだ。
それに対し、米運輸省から「タカタは欠陥製品を造って売り、欠陥を認めることを拒否していた。 すべての情報を米運輸省、顧客に提供することを怠り、消費者の利益を害した」と厳しく断罪されてしまい、タカタが自動車安全法に違反したとして過去最高額の最大2億ドル(約240億円)の 民事制裁金を科せられてしまいました。
リコールの無料回収及び無償修理にかかる費用だけでも膨大な資金が必要になるはずなのに、更にこんな制裁金が課せられてしまったら、いくら大企業といえども債務超過に陥るのは必至だろう。
ホンダとの関係
日本車で初めてエアバッグをオプション装備として販売したのは、ホンダでした。
昭和60年にレジェンドに装備して発売したのを皮切りに、平成4年には国内メーカーでは、最初となる全車に標準装備としてドマーニが発売されました。
その頃を境に、ホンダは自社製の車に装備するエアバッグの多くをタカタから調達するようになり、その後から両社は、互いに蜜月関係となり、タカタはホンダの意見を参考にする、いわば両社は二人三脚で エアバッグの開発を行うという歴史がはじまりました。
不誠実なタカタの対応
主力ホンダとの関係に亀裂!
タカタにとっては、切っても切れない関係のホンダにさえも、今回のエアバッグ不具合や欠陥に関する報告やデータなどの関係書類の提出に虚偽の報告やデータの改ざんなどの不正を行い自社製品の非を認めようとはしなかったらしいのです。
いわば、ごまかしで自社を守ろうとしたわけですね。
ホンダとしては、それではエアバッグではなく、自社製の車に欠陥があったと言われているようなものでたまったものではありません。
いくら蜜月関係の仲でもこれは看過することは出来ず、ついに「ホンダはすべての取引先が常に誠実に行動することを期待しており、タカタの行為に大変困惑している」と述べて、タカタの不誠実な対応を批判し、併せて、「全世界的に、新規開発中のホンダ車にはタカタ製エアバッグ起動装置を搭載しない」と発表してしまいました。
すなわち、今回の件でホンダはタカタとの絶縁宣言をしてしまったのです。
タカタにとって、ホンダという最大の取引先を失うことは、会社の屋台骨を揺るがす大きな打撃であり、この衝撃はすさまじいもので、世界的にも大きな波紋が広がっているようです。
他のメーカーとしても、こんな会社を今後、信用するわけにはいかず、その影響で、トヨタをはじめ、国内大手自動車メーカー各社が、タカタの製品を使用しない方針を発表しました。
多くの取引先を失い、自社製品がもう売れないことによりタカタが、倒産してしまう可能性が出てきました。
タカタの株価も急激に下がり、危機に直面しているのは間違いないでしょう。
不誠実な対応に、社会的な制裁を食らってしまったとはいえ
あまりにも悲惨すぎます。
社長は、現在どんな心境で何をしているのか、多くの社員たちの今後は、どうなってしまうのか 本当に気がかりで仕方ありません。
世界第二位の意地で何とか持ちこたえることは出来るのか
今後の動向に注目したい。
それではこの辺で
でわでわ…^^