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コラム

意外に知らないトヨタ2000GTオープンが誕生した本当のワケとは

2018/11/04

映画「007は2度死ぬ」にまつわるトヨタ2000GTの華麗なるエピソード

007に欠かせないキャラクター、それは「美女とクルマ」そこに仲間入りしたTOYOTA 2000GTは、世界のスクリーンでその性能を披露しました。

ボンドカー唯一の日本車、しかもボディはスペシャルメイド!

1967年公開の映画007シリーズ第5作『007は二度死 ぬ』(原題:You Only Live Twice)は日本が舞台となり、東京、九州、兵庫県の姫路城などの名所が登場する作品です。劇中でジェームズ・ボンドを乗せ、日本という舞台を縦横無尽に駆け巡ったクルマ、それがTOYOTA 2000GTでした。

TOYOTA 2000GTの前期型をベースにルーフをカット、オープンボディに合わせてリアフェンダーとトランク回りの造形を整え、日本におけるボンドカーとしてスクリーンの中に登場しました。

このボディは2台製作され、そのうちの1台は愛知県長久手町のトヨタ博物館に収蔵されており、現在でもその姿を見ることができる。

画像出典:Wikipedia

 

オープンボディーの真実

ボディをオープン化したのは、ジェームズ・ボンドを「演じたショーン・コネリーが190cm近い長身であり、TOYOTA 2000GTの車内では窮屈になる懸念があったからだといわれています。

また、ボディの改修期間はわずか数週間しか与えられなかったといいます。

「少々細かい話になりますが、劇中のTOYOTA 2000GT はワイヤスポークのホイールを履いていました。これは1965年 の東京モーターショーに登場したものと同一であるとの説がありますが、実際には海外製(英国製といわれている) のホイールを装着していたのです。

東京モーターショー で履いていたホイールについては、初期から開発にかかわってい たチーム・トヨタのレーシングドライバーである細谷四方洋によると、テストであっという間に緩んでしまったため、お蔵入りとなったという幻の逸品とのこと。

 

2000GTはボンドカーではない?

TOYOTA 2000GTは果たしてボンドカーなのか? その存在をめぐる小さな議論と真実とは

「映画に登場するTOYOTA 2000GTは、正確にはボンドカーと呼べないかもしれません。というのも劇中でこのクル マをドライブするのは、ジェームズ・ボンドに協力する日本の秘密情報員アキ(若林映子)であり、ジェームズ・ボンド は一切ステアリングを握っていないからだ。

 

 

劇中のトヨタ2000GTは、アジアンビューティーと称されたアキ(若林 映子)が操っていました。1960年代の日比谷の風景と見比べると、そのデザインの先進性がよく分かります。

ただし無線機 や映像受信機など、多数のギミックを備えているという意味では、ボンドカーの一種としてカウントしていいのかもしれません。

もちろん映画には007シリーズらしいカーチェイス シーンがあり、ジェームズ・ボンドのドライビングではないものの、激しい走行が見られます。

 

コーナリング性能の高さを見せた2000GT

TOYOTA 2000GT や追っ手のトヨタ・クラウンが限界に近い挙動を見せるコーナリングシーンなどは、非常にレベルの高いカー アクションとなっています。それもそのはず、替えのドライバーを担当したのは、当時のチーム・トヨタ所属のドライバーだったからであり、クルマの限界を知り尽くした彼らにとって、映画用に「魅せる」ドライビングをすることなど、 お手のものだったのでしょう。

TOYOTA 2000GTの活躍の場は東京を中心とし たエリアだが、現在でも場所が特定できるのは、ホテル ニューオータニのエントランスでのシーンと、カーチェイスの終盤で使われる富士スピードウェイの外周路の2カ所。

特に富士スピードウェイに関しては、現在は一部 しか残っていない30度バンクの姿がとらえられており、 貴重な映像となっています。

また、東京都内で秘密情報員アキがジェームズ・ボンドを乗せて走り出したシーンでは、 「東京トヨペット」のネオンサインが大きく映っている点も注目に値します。

 

出典:YouTube

 

また、敵役のクルマもクラウン、コロナなどのトヨタ車で固められており、トヨタの全面協力を得た作品であることを読み取ることができます。

 

まとめ

TOKYO 1967

何しろ1967年に公開された作品である。周辺の景色や劇中に登場するほかのクルマなどから、四十数年前の東京や日本の姿を知ることができます。

往時のファッションや建物、道路事情と比較すれば、TOYOTA 2000GTというクルマがどれほど未来的な存在であり、 時代を先んじていたかが理解できます。

 

 

「単にクルマの記録としてではなく、当時の時代性、流行、そして世界的な評価といったものまでを、映画とともに後世に伝えられるTOYOTA 2000GTとは、どれほど奇跡的で、そして幸せなクルマなのだろうか。

世界が絶賛する、日本にとって誇りある名車「TOYOTA 2000GT」でした。

引用参考図書:週刊トヨタ2000GT


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